【比較表あり】中途採用 主要手法11選 徹底比較 | メリット・デメリット・運用のポイントも解説

採用競争が激化する中途採用では、採用競争に勝ち抜くため様々な手法を併用する企業が増えつつあります。そのような市場背景もあり、採用手法は多様化を極めています。
しかし採用手法の多様化に反して、自社にマッチする手法が分からず有益性の高い採用活動から遠ざかっている企業・人事ご担当者様も多いのではないでしょうか。

中途採用の手法には、それぞれメリット・デメリットや運用のポイントがあります。またターゲットや企業の特性・課題に応じて成果が得られる手法は異なります。
そのため、どの採用手法を用いるかを比較・検討することが大切です。

そこで今回は、これまで150社以上の採用をサポートしてきた筆者が、中途採用に用いられている手法を、メリット・デメリットを添えて紹介します。

  • 中途採用手法のメリット・デメリット・特徴を一覧でみたい
  • 採用手法を選ぶ基準を知りたい
  • どのような採用手法があるのか知りたい

上記に該当する、企業・人事ご担当者様はぜひご一読ください。

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中途採用に代表される採用手法 比較表

ここでは、本記事で紹介する中途採用に用いられている採用手法の比較表を記載しています。各手法の比較にお役立てください。


採用手法
メリットデメリット導入をおすすめする
企業・ケース
求人情報サイト・採用工数がかからない
・転職活動に積極的な人材に対し
 アプローチできる
・多くの人材を採用できた場合、
 採用コストを大幅に抑えられる
・採用に至らなくても費用がかかる
・自社の求人が他の企業の情報に埋もれてしまい、
 求職者に情報が届かないこともある
・幅広い求職者に情報を届けたい企業
・採用活動に工数をかけられない企業
転職エージェント・マッチ率・意向度の高い
 人材の紹介を受けられる
・採用できるまで費用がかからない
・自社に採用ノウハウが蓄積されない
・大量採用には向かない
・専門性の高い職種の採用
・管理職など経験が求められる
 ポジションの採用
転職フェア・その場で選考することで、
 効率化・選考スピード向上を図れる
・求職者に対し、直接自社の魅力を伝えられる
・準備・運営など担当者の負担が大きい
・他の出展企業に埋もれないような、
 工夫や声掛けが必要
・接点ある候補者をすぐに
 採用につなげたい場合
・一度に大量の母集団を集めたい場合
ミートアップ・自社のブランディングにも活用できる
・自社の魅力を直接候補者に伝えられる
・低コストで実施できる
・集客テクニックが必要
・企画に手間と時間がかかる
・BtoC事業をメインにする企業
・採用ブランディングにも
 注力したい企業
ハローワーク・採用コストがかからない
・地方採用に向いている
・スキルやキャリアを持った人材の
 エントリーが期待できない
・事業所情報登録に手間と時間がかかる
・採用コストを低減したい企業
・地方採用を強化したい場合
・地元での認知度が高い企業
ダイレクト
リクルーティング
・自社のターゲットにマッチした人材に
 直接アプローチできる
・潜在層に対しても、アプローチができる
・運用にあたり工夫やノウハウが必要
・他の採用手法より業務負荷が大きい
・中長期的な効果を鑑みて
 ダイレクトリクルーティングを
 導入したい企業
・採用工数をかけられる企業
ヘッドハンティング・採用市場に流通しにくい人材層と
 接点を持てる可能性が高い
・コミット力が高い
・転職意向の低い人材にアプローチするため、
 採用まで長い期間を要することがある
・1人あたりの採用成功単価が高額
・エグゼクティブやハイキャリア層の
 採用をしたい場合
リファラル採用・選考辞退率が低い
・採用コストがかからない
・リファラル風土の醸造が必要
・従業員への徹底的な認知が必要
・大量採用が難しい
・採用コストを軽減したい企業
・従業員のエンゲージメントを向上したい企業
アルムナイ採用・即戦力人材を採用できる
・早期離職リスクが低い
・採用コストを抑えられる
・既存社員が不満を抱く可能性がある
・既存社員の退職を
 後押ししてしまう懸念がある
・アルムナイと良好な関係性を築けている企業
・専門的な経験やスキルを持っている人材の採用
オウンドメディア
リクルーティング
・自社の事業や理念に共感した求職者から
 応募を募れる
・自社の独自性をアピールでき、
 他社との差別化を図れる
・転職潜在層に対しても広くアピールできる
・中長期運用を前提とする必要がある
・運用ノウハウが必要
・企業イメージが偏っており
 エントリーに至らない企業
・世間イメージと事業・理念に
 乖離がある企業
ソーシャル
リクルーティング
・採用コストがかからない
・潜在層へのアプローチが可能
・幅広く自社のファン化を促せる
・SNSに使い慣れていない層や、
 ターゲットに限定したアプローチは難しい
・炎上リスクがある
・第二新卒や20代採用がメイン
・ベンチャー、
 スタートアップ企業

求人情報サイト(転職サイト)

求人情報サイトとは、広告掲載料を支払い、特定のサイトに求人広告を掲載する手法のことを指します。長く中途採用に用いられてきた手法の1つであり、多くの企業の採用に用いられています。

求職者は無料で登録・利用できるためユーザー数が多く、多くの求職者に自社の求人情報を届けられるメリットがあります。

一昔前までは、全国・全職種の求人を掲載する総合型の求人情報サイトが主流でした。しかし採用競争の激化・ジョブ型雇用の増加など、採用市場の変化に伴い、近年は職種・業界・性別・年代・収入それぞれに特化した求人情報サイトも多く展開されています。

しかし売り手市場の中途採用においては、ただ求人広告を掲載するだけでは、採用成功を担保するだけのエントリーを募ることは難しくなっています。
求人情報サイトを利用する際は、ターゲットに合った媒体の選定が不可欠です。また数ある求人情報の中でも目を惹くキャッチ―な見出し、有料オプションを効果的に利用するなど、戦略的な運用が必須になりつつあります。

求人情報サイト(転職サイト)サービス例

サービス名ターゲットエリア掲載案件数特徴運営会社
エン転職20代全国47都道府県約4,500件日本最大級の会員数を誇る転職サイトエン・ジャパン株式会社
マイナビ転職20代・30代全国47都道府県約10,000件顧客満足度ランキングNo.1株式会社マイナビ
doda20代~50代全国47都道府県約61,000件業界最大級の求人数パーソルキャリア株式会社
女の転職@type20代・30代全国47都道府県約1,500件女性特化型サービス株式会社キャリアデザインセンター
Re就活20代全国47都道府県約800件20代・第二新卒に特化型株式会社学情

求人情報サイト(転職サイト)のメリット

  • 他の採用手法と比較して工数がかからない
  • 多くの求職者が転職活動に取り組む際に利用している手法である
  • 転職活動に積極的な人材に対してアプローチできる
  • 多くの人材を採用できた場合、採用コストを大幅に抑えられる

求人情報サイト(転職サイト)のデメリット

  • 自社の求人情報が他の企業の情報に埋もれてしまう
  • 採用に至らなくても費用がかかる

求人情報サイト(転職サイト)の利用のポイント

  • 求職者の目に留まるキャッチコピーを考える
  • 自社のターゲットが多く利用している媒体を選ぶ
  • 上位表示などのオプションを戦略的に利用する
  • 求人サイトの担当者と密にコミュニケーションを取り、自社の魅力や強みを汲み取ってもらう

転職エージェント(人材紹介)

転職エージェント(人材紹介)は、求人をしている企業に対し、ターゲットに近い人材を紹介するサービスを指します。求職者が自由にエントリーできる求人情報サイトとは違い、企業と求職者の間にキャリアコンサルタントが介入する点が大きなポイントです。

企業に人材を紹介する前にキャリアコンサルタントが採用基準にマッチするか否かをフィルタリングしてくれます。そのためマッチング度・能力・意向度が高い人材が集まりやすい傾向にあります。
また報酬形態は成功報酬型が大半のため、採用できるまで費用がかからない点もメリットと言えるでしょう。

専門性の高い職種の採用や管理職など経験が求められるポジションの採用に向いている手法です。
また求人情報サイトで求人情報を掲載しても他社の情報に埋もれてしまう企業などは、細やかに企業の魅力を求職者に届けてくれる転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントを利用する際は、キャリアアドバイザーと適切な関係を築くことが必須です。採用競争が激化する中途採用では、転職エージェントに紹介を丸投げしてしまうと望む人材の紹介は受けられません。
キャリアアドバイザーを協同パートナーと捉え、採用成功に向けて伴走してもらえるようハンドリングする必要があります。

転職エージェントサービス例

サービス名ターゲットエリア保有案件数特徴運営企業
リクルートエージェント20~40代全国47都道府県
+
海外
約275,000件業界トップクラスの
求人数
株式会社リクルート
ワークポート既卒・第二新卒全国47都道府県約73,000件クリエイティブ系
求人が中心
株式会社ワークポート
ビズリーチ30代~50代全国47都道府県
+
海外
非公開ハイクラス向け
特化型
株式会社ビズリーチ
ランスタッド外資系志望全国47都道府県
+
海外
約6,700件世界最大級の
転職エージェントサービス
ランスタッド株式会社
ウズキャリ既卒・フリーター大阪・愛知・
福岡・首都圏
非公開フリーター・既卒など
ポテンシャル重視型
株式会社UZUZ

転職エージェント(人材紹介)のメリット

マッチ率・意向度の高い人材の紹介を受けられる
採用できるまで費用がかからない

転職エージェント(人材紹介)のデメリット

  • 自社に採用ノウハウが蓄積されない
  • 大量採用には向かない
  • エージェントと関係性を築く必要がある

転職エージェント(人材紹介)利用のポイント

  • キャリアアドバイザーと共同体制を築く
  • 推薦後はスピード感のある選考を心がける
  • 自社の情報をキャリアアドバイザーに都度伝える

転職フェア

転職フェアとは、中途採用を行っている企業が一同に集結し、合同で説明会を実施するイベントのことです。企業ごとに割り当てられたブース内で、企業説明や面談を行います。

数ある中途採用手法の中でも求職者に対し、直接自社の魅力をアピールできる数少ない手法です。イベントによっては多くの求職者が集まるため、効率的にエントリーを募れるでしょう。またその場で1次選考を実施できるイベントもあります。
スピード感のある選考を実施できる点も転職フェアのメリットと言えるでしょう。

しかし一方で準備・運営など担当者の負担が大きく、他の出展企業に埋もれない工夫や声掛けも必要です。担当者の力量によって成果が左右されるケースも多々あります。
また出展企業に対し来場者が少ない場合、期待するほどエントリーが集まらないこともあるでしょう。昨年度の情報をもとに、参加するイベントを見定めることも必要です。

候補者との接点をすぐに採用につなげたいと考えている企業や、一度に大量のエントリーを募りたいと考える企業にマッチする手法です。

合同説明会(転職フェア)サービス例

サービス名来場層実施エリア特徴運営企業
マイナビ
転職フェア
20代・30代全国・全国50エリアで転職フェアを開催
・中小企業の出展がメイン
株式会社マイナビ
転職博20代・30代全国・面談形式のイベント
・来場者の73%以上が
 1ヶ月以内の転職を希望
株式会社学情
doda
転職フェア
20代~50代東京・名古屋・
大阪・福岡
・日本最大級の転職サイトdodaと
 連動した集客に力を入れている
・業界最大級の規模
パーソルキャリア株式会社
はたらいく
就職フェア
20代・30代全国・地元志向の来場者メイン
・地域採用を強化したい企業の出展が中心
株式会社リクルートキャリア

合同説明会(転職フェア)のメリット

  • その場で選考することで、選考の効率化・スピード向上を図れる
  • 求職者に対し、自社の魅力を直接伝えられる

合同説明会(転職フェア)のデメリット

  • 企業と来場者のバランスが取れていないイベントもある
  • 準備・運営など担当者の負担が大きい
  • 他の出展企業に埋もれないような、工夫や声掛けが必要

合同説明会(転職フェア)利用のポイント

  • 呼び込みの方法を工夫する
  • 参加者の熱が冷めないうちに次回の選考日程を決める
  • 前年度・前回開催の来場者数・出展企業数を確認する

ミートアップ

ミートアップとは、共通の目的・趣味を持った人が集まる交流会のことです。
もともとはアメリカに拠点を置くミートアップ社が作った造語であり、ミートアップ社が提供するプラットフォームを指す言葉でした。
現在は、交流会自体を「ミートアップ」と呼び、採用領域においても導入されつつあります。

2015年頃から採用手法として一般的となり、採用ブランディングや求職者との関係構築手段として注目されている新しい手法です。
ミートアップでは、求人情報だけでは伝わりきらなかった自社の魅力を直接候補者と相対し伝えることができます。企業の魅力を理解し、ファンになってもらい、さらに採用につなげることを目的にしています。

転職フェアへの出展には費用がかかりますが、ミートアップであれば低コストで開催できます。また自社単体で開催できるため、採用バッティングの心配がないなどのメリットがあります。

採用につながることがベストですが、採用に至らなかったとしても消費者ファンになってもらえる可能性もあります。BtoC事業をメインにする企業は、候補者をファン化しやすく、相性の良い採用手法でしょう。

ミートアップのメリット

  • 採用ブランディングにも活用できる
  • 自社の魅力を直接候補者に伝えられる
  • 低コストで実施できる

ミートアップのデメリット

集客テクニックが必要
企画に手間と時間がかかる

ミートアップ利用のポイント

  • 実施後のフォローを徹底する
  • 小規模開催する
  • 定期的に実施する

ハローワーク

ハローワークは、厚生労働省のホームページで下記の通り記載されている機関です。

ハローワーク(公共職業安定所)とは、仕事をお探しの方や求人事業主の方に対して、さまざまなサービスを無償で提供する、国(厚生労働省)が運営する総合的雇用サービス機関のこと

厚生労働省『ハローワーク』

全国に500カ所以上設置されており、無料で求人掲載できる点が大きなメリットとして挙げられます。また助成金制度を利用できる点も魅力の1つ。

さらに地域のハローワークに求人情報を掲示できるため、地域に根付いた企業であれば採用を優位に進められるでしょう。さらにハローワークは、様々な年齢層・スキルを持った求職者が足を運ぶ場です。ターゲットを限定せず、多くの求職者の目に触れる可能性が高い採用手法とも言えるでしょう。

一方で、求人公開条件を限定できないため、ターゲットを絞ることができません。そのため応募後の見極めは必須と言えます。
またスキルやキャリアを持ったハイスペック人材からのエントリーはほぼ期待できないでしょう。

間口を広く設けて採用に臨みたい企業・創業年数が浅い企業・地域密着型の採用をしたい企業におすすめの手法です。

ハローワークのメリット

  • 採用コストがかからない
  • 地域採用に向いている
  • 公的機関が運営しているため、求職者の応募ハードルが下がりやすい

ハローワークのデメリット

  • スキルやキャリアを持った人材のエントリーは期待できない
  • 事業所情報登録に手間と時間がかかる
  • 選考時に相互理解に努めないとミスマッチが起こる

ハローワーク利用のポイント

  • 地域密着型の採用に強い旨を意識する
  • 幅広い層の人材の目に触れられる手法であることを意識し、選考はエントリー者の見極めに注力する

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、求人情報サイトや転職エージェントなどの第三者機関(サービス)を介さず、スカウトやオファーを利用し自社の魅力を求職者に直接アプローチする採用手法です。
従来の求人情報サイトや転職エージェントは、エントリーを待つだけの手法でした。
その点ダイレクトリクルーティングの大きな特徴は、企業自ら候補者に対しアプローチする“攻めの手法”である点です。

売り手市場の最中にある中途採用を成功に導くためには、今転職活動に取り組んでいる層だけではなく、転職潜在層へのアプローチも必須です。ダイレクトリクルーティングはそんな潜在層にもアプローチできる手法として注目が集まっています。
さらに候補者の属性情報やレジュメを見た上で、事前にスカウトやオファーを送るターゲットを絞り込めるため、自社のターゲットに近い人材を集められる利点があります。

しかし候補者1人ひとりに対しスカウトやオファーを送るため、手間と工数が非常にかかります。また運用にはノウハウが必要であり、ただスカウトやオファーを送るだけでは目に見える成果が表れにくいデメリットもあります。

中長期的な効果を鑑みてダイレクトリクルーティングを導入したい企業、採用工数をかけられる企業、外部リソースの利用を検討している企業におすすめの手法です。

ダイレクトリクルーティングサービス例

サービス名会員数ユーザー属性料金形態特徴運営企業
AMBI50万人以上20代・30代の
若手ハイキャリア中心
基本利用料

成果報酬型
・全体の45%が
 MARCHクラス以上を
 占めるハイキャリア特化型
・営業・コンサル・オフィス・
 マーケ・経営・企画が中心
エン・ジャパン株式会社
Green100万人以上IT系中心初期費用

成果報酬型
・掲載求人数に制限なし
・エンジニア職の採用に強い
株式会社アトラエ
キャリオク24万人営業職・
サービス業中心
応募課金型・候補者の経歴を企業が
 オークション形式で落札する
・年収提示付きの
 オファーを候補者に送る
SBヒューマンキャピタル株式会社
Wantedly300万人以上20代~30代の
若手中心
基本利用料・転職潜在層への
 アプローチに強い
・給与や待遇ではなく、
 事業への共感をベースに
 エントリーを募る媒体
ウォンテッドリー株式会社
LinkedIn280万人以上
※全世界8億人以上
全方位型基本利用料・世界最大のビジネスSNS
・優秀層人材の登録が多い
リンクトイン・ジャパン株式会社

ダイレクトリクルーティングメリット

  • 自社のターゲットにマッチした人材に直接アプローチできる
  • 転職潜在層に対しても、アプローチができる

ダイレクトリクルーティングデメリット

  • 運用にあたり工夫やノウハウが必要
  • 他の採用手法より業務負荷が大きい

ダイレクトリクルーティング利用のポイント

  • 候補者1人にマッチしたスカウトメールを送付する
  • PDCAをまわし改善に努める
  • スカウト代行など外部リソースを活用する

ヘッドハンティング

ヘッドハンティングとは、求める人材を人脈・口コミなどを駆使してあらゆるビジネス現場から探し出し、自社に移籍してもらう手法のことを言います。
転職エージェントと混同されがちですが、転職エージェントは、自媒体に登録している求職者の中からマッチする人材を紹介してもらうサービスです。それに対し、ヘッドハンティングは、全ビジネスマンが対象です。

対象となる人材は、エグゼクティブやハイキャリア層が中心です。
エグゼクティブやハイキャリアになるほど、口コミや紹介などを通じ転職を行う傾向にあり、採用市場で出会いにくい特徴があります。

ヘッドハンティングはそのような層に対し、ピンポイントでアプローチします。
コミット力が高く採用市場に流通しない採用と出会えるメリットがある一方で、人脈・口コミなどの情報網が肝となります。

優秀な人材の採用を計画している、特定のスキル・経験を持った人材を迎えたいと考えている企業にマッチする手法と言えるでしょう。

ヘッドハンティングのメリット

  • 採用市場に流通しにくい人材層と接点を持てる可能性が高い
  • エグゼクティブやハイキャリア層の採用に有効
  • コミット力が高い

ヘッドハンティングのデメリット

  • 成功報酬費が高額である
  • 転職意向の低い人材にアプローチするため、採用まで長い期間を要する
  • 有能なヘッドハンターを見つける必要がある

ヘッドハンティング利用のポイント

  • ターゲット人材を明確にしておく
  • 選考の過程において候補者と信頼関係を構築する
  • 待遇を用いてスカウトするのではなく、自社で働くとどのような価値・経験が得られるのか候補者に理解してもらう

リファラル採用

リファラル採用とは、自社で働く従業員から知人や友人を紹介してもらい、採用につなげる手法です。
すでに自社の風土に馴染み活躍している人材からの紹介であることがポイントです。自社とのマッチ率が高い人材の紹介が受けられる可能性が期待できる手法と言えるでしょう。また自社内で完結できる手法であることから運用コストがかからない点もメリットです。

一方で同じような属性の人材に偏る可能性があることを理解しておく必要があります。
また紹介者と被紹介者との関係性を壊さないよう配慮も必要でしょう。

デメリット面はあるものの、採用コストや従業員のエンゲージメントなどが課題視されている企業にとっては、課題改善にも寄与する手法と言えるでしょう。

リファラル採用のメリット

  • 既存社員からの紹介であるため、転職後のイメージを描きやすく選考辞退率が低い
  • 採用コストがかからない

リファラル採用のデメリット

  • 社内へのリファラル風土の醸造が必要
  • 従業員への徹底的な認知が必要
  • 大量採用が難しい

リファラル採用のポイント

  • 既存社員が友人・知人に紹介したくなるような組織づくりを意識する
  • 制度の認知を徹底する
  • 中長期的な視点で施策を実行する

アルムナイ採用

アルムナイ採用とは、一度退職した元従業員を再度雇用する採用手法のことを言います。
「カムバック採用」とも呼ばれており、再採用した人材が即戦力として活躍してくれる・新たに習得したスキルを還元してくれるなどのメリットがあります。
また社風・風土を既に理解しているため、退職のリスクが少ない点も利点と言えるでしょう。

一方で、待遇面で既存社員の不満を買わないよう配慮が必要です。また既存社員に「辞めてもすぐ戻れる」という間違った認識が広まってしまう懸念も考えられます。
“在籍期間中に一定のスキルを習得した人に限る”などの条件を設定しておく必要があるでしょう。アルムナイ採用のルールを制定し、退職助長を防ぎましょう。

アルムナイと良好な関係性を築けている企業・専門的な経験やスキルを持っている人材への採用に積極的な企業と親和性の高い採用手法です。

アルムナイ採用のメリット

  • 即戦力人材を採用できる
  • 自社の社風・風土を理解しているため、早期離職リスクが低い
  • 採用コストを抑えられる

アルムナイ採用のデメリット

  • 既存社員が不満を抱く可能性がある
  • 既存社員の退職を後押ししてしまう

アルムナイ採用のポイント

  • イグジットマネジメントの強化(円満退職)に注力する
  • 帰属したくなる組織創りに注力する
  • アルムナイネットワークを創る・アルムナイ活動を積極的に支援する

オウンドメディアリクルーティング

オウンドメディアリクルーティングとは、自社で運営している採用サイトなどを通じ自社の採用情報や魅力を発信し、共感を喚起することで採用につなげていく手法です。

オウンドメディアリクルーティングの最大の魅力は、自由な発信ができる点です。
求人情報サイトのように発信できる情報が型化されていないため、事業や理念に共感した人材からエントリーを募ることができます。
また転職潜在層に対しても自社の認知を広げられるため、中長期的な成果が見込める利点もあります。

企業イメージが偏っておりエントリーに至らない、世間イメージと事業・理念に乖離がある企業はオウンドメディアリクルーティングに取り組むことで、候補者に対し正しい認知・イメージを訴求できるでしょう。

しかし即効性のある手法ではありません。そのため中長期的な取り組みが必要です。
またSEO知識など広く情報を発信する知識・スキルが求められるケースもあるでしょう。

オウンドメディアリクルーティングのメリット

  • 自社の事業や理念に共感した求職者から応募を募れる
  • 自社の独自性をアピールでき、他社との差別化を図れる
  • 転職潜在層に対しても広くアピールできる

オウンドメディアリクルーティングのデメリット

  • 中長期運用を前提とする必要がある
  • 運用ノウハウが必要

オウンドメディアリクルーティングのポイント

  • 公開記事の既読率やオウンドメディアからの流入率など、細かくKPIを定めながら運用する(感覚的な運用に依らない)
  • ターゲット目線のコンテンツ作成を意識する

ソーシャルリクルーティング

ソーシャルリクルーティングは近年注目を集めているSNSツールを利用した採用手法です。
Facebook・Instagram・YouTubeなどに自社の公式アカウントを作成し、自社の魅力や採用情報の発信を通じて自社へのファン化を促します。

無料で利用できる他、魅力的なコンテンツ作成ができればエントリーにもつなげることができます。また採用ブランディングとしても効果を期待できるでしょう。
さらに拡散力が高いため、知名度やブランド力の低い企業でも運用次第で高い成果を得られることもあります。
一方で炎上などのリスクがあるため、十分なリスク対策を施した運用が求められます。

SNSと親和性が高い第二新卒や20代採用、さらにはベンチャー・スタートアップ企業におすすめの手法です。

ソーシャルリクルーティング主要媒体

サービス名主要年代特徴強み
Twitter(X)20代・30代テキストテキスト発信という手軽さと、
他のSNSツールと比較して高い利用率を誇る
Tik Tok20代動画動画というリアル性の高い情報発信力は残しつつ、
動画の作り込み工数を削減できる
Instagram20代・30代画像ビジュアルに特化した発信を強みとし、
ファン化させやすい
Facebook30代テキスト
画像
写真とテキストをバランスよく発信できる
YouTube20代・30代・40代動画自社の認知が届いていない層にも
充実した企業魅力・情報を発信できる
LinkedIn30代・40代テキスト
画像
ビジネス系SNSのため、
ハイクラス・外資系パーソンへの発信が可能
LINE30代・40代テキスト
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1対1のやり取りができるため、応募に繋げやすい

ソーシャルリクルーティングのメリット

  • 採用コストがかからない
  • 潜在層へのアプローチが可能であり、幅広く自社のファン化を促せる

ソーシャルリクルーティングのデメリット

  • SNSに使い慣れていない層や、ターゲットに限定したアプローチは難しい
  • 炎上リスクがある
  • 運用するためのリソースが必要

ソーシャルリクルーティングのポイント

  • ターゲットに合わせたSNSツールを利用する
  • 中長期的な運用かつ定期的な発信を意識する
  • SNSからエントリーに繋げる導線を構築する

採用手法を選ぶ基準

最後に、採用手法を選ぶ基準を紹介します。
基準にしたい項目は、次の3つです。

  • 予算
  • 工数・時間
  • ターゲットにマッチしているか

予算

新しい採用手法を導入する際は、事前に予算を試算しましょう。

どんなに優れた採用手法であってもコストパフォーマンスが悪い場合、有益性の高い採用活動ができているとは言えません。また筆者が採用を支援した企業様の中には、初期費用の安さに惹かれ導入したものの、外部委託や人件費などの思わぬコスト発生に悩む企業様も少なくありませんでした。

自社に導入した時にかかる予算と見込まれる採用人数を割り出しましょう。
また運用を始めた後も、想定予算通りに運用できているのか、予定採用人数を達成できそうか、費用対効果も都度確認しましょう。

工数・時間

紹介した中途採用手法の中には、中長期的な運用やコンスタントな取り組みが必要になる施策も少なくありません。
どれくらいの工数・時間が必要なのかも事前に見積もっておきましょう。

無計画に新しい採用手法を導入してしまうと、そちらにばかり手を取られてしまい本来注力したい施策や改善したい課題に取り組めなくなってしまいます。
その結果、全体の採用力が低下してしまう事態も招きかねません。

自社のリソースだけで十分運用できるのか、必要に応じて外部への発注・委託が必要なのか、必要工数・時間を試算することで、導入後の運用イメージも描けるでしょう。

ターゲットにマッチしているか

どんなに適正な運用を心がけていたとしてもターゲットにマッチしていなければ、求める人材と出会うことは難しいでしょう。
採用手法を選ぶ際は、ターゲットとのマッチ度も重視しなければなりません。

また同じ採用手法でも利用する媒体によって効果が大きく変動することもあります。
適切な手法・媒体の選択は、採用成功を左右すると言っても過言ではありません。
新しい採用手法を導入する際は、ターゲットとのマッチ率が低くなってしまわないよう留意しましょう。

採用手法はたくさんあり、何を基準に選べば良いか分からないと悩む企業・人事ご担当者様も多いかと思います。「近年人気を高めている手法」「採用競合が導入している手法」という安易な理由で導入するのは控えましょう。
まずは本項目で紹介した基準をベースに導入すべき手法を検討してみてください。

時にはノウハウが足りず、導入すべき手法を決めきれない時もあるでしょう。
そのような時は、採用代行や採用コンサルタントを活用するのも1つの手です。
ただ闇雲に新しい採用手法に取り組むよりも外部のサービスを活用したほうが高い成果と効果を得られるケースもあります。
多くの企業の採用を支援してきた筆者としては、ぜひ選択肢の1つとして検討頂きたいと思います。

中途採用手法比較 まとめ

本記事では中途採用に用いられる手法についてメリット・デメリットを交えて紹介しました。
どの手法にもメリット・デメリットがあり、独自の特性を持ち合わせています。

効果的な採用を実現するためには、各手法のメリット・デメリットや特性を理解し、自社にマッチした手法を導入することがポイントです。
また求職者の意向や情報収集の方法が多様化する昨今においては、1つの手法にこだわるのではなく複数の手法をバランスよく組み合わせることも大切です。

本記事で紹介した採用手法を参考にしたり、時には採用代行や採用コンサルタントを活用しながら、自社にマッチする採用手法を再度見直してみてはいかがでしょうか。