人材獲得競争が激化し採用手法が多様化する中、戦略的な採用活動を推進できない・十分なリソースを割けないと悩む人事担当者は少なくありません。
そんな状況下において効率的に採用業務を進める1つの手段として『採用代行(RPO)』の活用が挙げられます。
採用に精通したプロに採用業務を依頼することで、採用活動の効果を高めることができます。
とはいえ採用代行は、依頼内容やボリュームによって導入費用が大幅に変動します。
費用相場が分からず、採用代行の利用を見送っている企業・人事ご担当者様も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、採用代行の費用相場について解説すると共に、採用代行を利用することによりどのようなメリットが得られるのか、採用代行を選ぶ際のポイントを解説します。
- 採用代行の費用相場を知りたい
- 採用代行を利用するメリットとデメリットを知りたい
- 採用代行の選び方のポイントが分からない
上記に該当する企業・人事ご担当者様はぜひご一読ください!
採用代行利用に伴う費用相場を把握でき、導入検討における判断材料の一助になるでしょう。
採用代行(RPO)の 費用相場
採用代行と一口に言っても、提供するサービス内容・料金形態・利用期間等によって金額が大きく変動します。
本項目ではステータス別・業務内容別の各費用相場をご紹介すると共に、成果報酬型の料金体系においても相場の目安をお伝えします。
ステータス別(新卒採用・中途採用・アルバイト)費用相場
採用代行では、新卒採用・中途採用・アルバイト採用ごとに一般的な費用相場があります。
ポテンシャルを重視する新卒採用の場合、費用相場は1ヶ月あたり10万円~70万円程度です。一見するとスキルを重視する中途採用よりも単価が安いようにも思われますが、新卒採用は母集団形成から内定まで採用活動の期間が長くかかる傾向にあります。
そのため利用期間が長くなったり突発的な辞退により再度母集団形成から行わなければならない事態も考えられ、場合によっては想定よりも費用がかかる場合もあります。
利用期間や利用サービスの上乗せも加味した上で費用を算出してもらいましょう。
中途採用は、求めるスキル・経験・採用難易度に応じて費用が大きく変動します。またスキル・経験を重視する中途採用は、職種ごとに採用難易度が異なります。
希望する職種の採用実績を持たない企業に採用代行を依頼してしまうと、期待した成果を得られないケースもあります。
採用難易度の高い職種の採用を検討している場合は、多少高額でも実績豊富な企業への依頼をおすすめします。
アルバイト・パート採用の費用相場は、正社員採用よりも低単価です。費用対効果が見込めるのであれば利用する価値はあるでしょう。
業務内容別費用相場
続いて、業務別の費用相場をご紹介します。
採用と一口に言ってもその業務内容は多岐にわたります。採用代行の中には採用業務を1つひとつの工程に分け、工程ごとに依頼できるサービスもあります。
上記でご紹介したのはあくまでも相場費用であり、採用人数・難易度・工数に応じて費用が変わることもあります。
また1つの工程を依頼するにしてもどこまで対応してもらえるのかは、サービスを提供する会社ごとに違います。
採用代行の利用を検討する場合は、『どこまでのサービスを求めているのか』『どれぐらいの費用に収めたいのか』を明確にした上で見積もりを依頼するようにしましょう。
成果報酬型サービスの費用相場
採用代行サービスの中には採用工数や期間に関わらず、採用成功人数によって費用が決まるサービスもあります。
費用相場は新卒採用と中途採用で金額が若干異なります。
採用人数が少なく採用難易度の高い職種の採用において、高い費用対効果が期待できるでしょう。
採用代行(RPO)を利用するメリット
続けて採用代行を利用する際のメリットをご紹介します。
採用代行を利用する際の代表的なメリットは、次の3つです。
- 採用活動の質が向上する
- トレンド・候補者の動向に合わせた採用ができる
- 他のコア業務に注力できる
自社採用に不足していることや強化したいことと合致する場合、利用の検討をおすすめします。
採用活動の質が向上する
採用代行を利用する最大のメリットは、採用に精通したプロが採用業務を推進する点です。
採用を専門にするプロの観点を基に採用活動を推進するため、自社内で推進するより質の向上が期待できます。
また採用代行サービスを提供する企業からの第三者視点のアドバイス・ノウハウを自社の採用に取り入れることにより、自社の採用財産蓄積にも繋がるでしょう。
トレンド・候補者の動向に合わせた採用ができる
自社だけでは戦略・ツール・採用手法に限りがあります。
しかし採用実績豊富な採用代行ほど様々な業界・業種の採用知見があり、トレンド・候補者に合わせた多様な採用手法を提案してくれます。
自社だけでは思いつかないような採用アイデアや、自社採用に合わせカスタムした採用手法を提供してくれることもあります。
他のコア業務に注力できる
採用代行を活用することで人事担当者の時間的負担が軽減され、コア業務・注力したい業務に時間を割くことができます。結果的に高い生産性を実現できるでしょう。
新卒・中途・アルバイト全ての採用を担うケースや労務など採用以外の業務を担う場合、自社の課題に合わせ業務の一部・もしくは採用全般をプロに依頼することで相対的なコスト削減が叶います。
採用代行(RPO)を利用するデメリット
続けて採用代行を利用する際のデメリットをご紹介します。
採用代行を利用する際のデメリットは次の通りです。
- 採用代行の見極めが必要
- 必ずしも採用成功が約束されるわけではない
- 認識のズレが生じやすい
デメリット面に関しては、事前に採用代行を利用することでどんなトラブルが生じるのか想定し対策を講じることでカバーできます。
下記で紹介するデメリット面を理解した上で、上手に活用しましょう。
採用代行の見極めが必要
採用代行を依頼する場合は料金だけで依頼を決めず、採用したい職種の採用実績はあるのか、またどのような採用計画を提示してくれるのか、サービス内容とともに確認しておきましょう。
採用代行サービスを提供する企業は多様性を増し、どの企業が自社のニーズにマッチしているのか見極めが非常に難しくなりつつあります。
中には実績が少なく、他社と比較してノウハウが乏しい企業も少なくありません。安価だけれども、採用成功に至らなかったというケースも珍しくありません。
また採用ツール・手法・媒体も多様化しているため、時代に即した採用知識がない企業の場合、採用課題が解決されず人事担当者の負担が増す可能性も考えられます。
必ずしも採用成功が約束されるわけではない
採用代行を利用したからといって必ずしも採用成功が約束されるわけではありません。(成功報酬型サービスを除く)場合によっては高い費用を支払ったにも関わらず、採用人数が目標に満たないこともあるでしょう。
しかし採用代行は、採用成功の確率を高めてくれる以外にも採用ナレッジの提供や第三者視点からの自社の採用の弱みを分析してくれるサービスでもあります。
採用代行を利用する目的と目的に対する費用対効果を鑑みて、利用するか否かを検討しましょう。
認識のズレが生じやすい
採用代行を利用すると、依頼業務を任せっきりになってしまいがちです。
忙しさ故に採用代行に業務を一任したくなる気持ちも分かりますが、場合によっては認識にズレが生じ、本来採用したい人材が獲得できない可能性も起こり得ます。
定期的なすり合わせ機会を設けてくれる採用代行、情報をブラックボックス化させない信頼できる採用代行を見定める必要があります。
採用代行の種類(スカウト代行や採用ブランディング、日程調整など)
採用代行の種類も多岐に渡ります。主な採用代行の種類は次の通りです。
- スカウト代行
- ブランディング
- コンサルティング
- 業務委託
- コンテンツ作成 など
どのような種類があるのかを事前に知っているだけでも、依頼する時に適切なサービスを選択できるでしょう。
スカウト代行
スカウト代行は、スカウト採用にまつわる業務・コンサルティングを専門に請け負うサービスです。
候補者に自社の魅力を直接アピールできるスカウト採用は、新卒採用・中途採用共にその需要を伸ばしつつあります。
採用業務とは違うノウハウ・知見が必要になるスカウト採用を始めたいとお考えであれば、スカウト採用に精通した専門性の高いスカウト代行の利用をおすすめします。
ブランディング
採用におけるブランディングとは、自社の強みや魅力を候補者に訴求し、自社のイメージや候補者の応募意欲を向上させる採用戦略の1つです。
ダイレクトに採用に直結する戦略ではありませんが、採用競争を勝ち抜くために欠かせない戦略です。
実際に働く様子やキャリアビジョン、現場社員の人柄などの魅力を、戦略的に発信していくことで採用活動の効果を高めていきます。
コンサルティング
採用コンサルティングは、経営戦略や採用計画に沿ってより効果的な採用を実現するための採用計画の立案・施策の提案を行う業務です。採用に伴う工程を担うものではありません。
採用の工数は割けるけれども採用ノウハウがないという企業は、採用コンサルティングを導入することで、効果的かつ効率的な採用を実現できるでしょう。
業務委託
業務委託は、採用に伴う業務全般もしくは一部分の工程を依頼できるサービスです。
人事担当者の代わりとなって採用業務を推進します。
母集団形成から内定決定までワンストップで業務を依頼できるサービスもあれば、自社のリソースに応じて必要な工程だけを切りとり依頼できるサービスもあります。
コンテンツ作成
コンテンツ作成は、インターンシップや説明会に使用するスライド資料の作成や、内定式・入社式などのコンテンツを考案するサービスです。
採用活動において魅力的なコンテンツは欠かせません。
コンテンツ制作だけを外部に委託するケースも珍しくありません。
採用代行の利用は1社に限定する必要はありません。
それぞれのサービスに特化した企業を選定することで、より自社の魅力を候補者に訴求できることもあります。
採用代行の導入を検討する際は、幅広いサービスの中から自社のニーズに合うサービスを絞り込んでいきましょう。
採用代行(RPO)を選ぶ時のポイント
最後に採用代行を選ぶ時のポイントをお伝えします。
採用代行を選ぶ際のポイントは大きく次の3つです。
- 自社のニーズに沿ったサービスかどうか
- 効果検証をしてもらえるのか
- 採用希望職種に関する採用ノウハウがあるか
各ポイントについて、解説致します。
自社のニーズに沿ったサービスかどうか
採用代行を選ぶ際は、どこまで支援してくれるのか、反対に人事担当者はどこまで対応が必要なのかしっかりすり合わせることが肝要です。
料金だけで安易に依頼を決めてはいけません。自社のニーズに沿ったサービスかしっかり確認しましょう。
場合によっては複数社のサービスを利用するのも1つの方法です。
効果検証をしてもらえるのか
望むサービスの提供はもちろんですが、導入後のフォローや効果の見える化も積極的に動いてくれる採用代行を選びましょう。
依頼することで満足してしまい、導入効果が不透明のまま利用が終わるケースも散見されます。
サービス利用前・利用後でどれだけの費用対効果・導入効果があったのか検証してもらうことで、導入意義を明確にできるでしょう。
さらに効果検証することで、次回の採用に繋がる施策や対策も考えられます。
採用希望職種に関する採用ノウハウがあるか
専門性の高い職種や技術職の採用は、採用支援実績を持つサービスに依頼するようにしましょう。
採用希望職種に関する採用ノウハウの有無は採用を成功させる上で不可欠な要素です。
特に採用難易度が高い職種は、その職種に特化した採用ノウハウ・採用知識が求められます。どれだけ採用実績があったとしても、自社の採用したい職種の採用実績がない場合、期待通りの成果を得られない可能性もあります。
採用代行(PRO)費用相場 まとめ
多様化する採用手法と激化する人材獲得競争において、企業の人事担当者だけでは十分な人材確保が難しくなりつつあるこの時代。
採用代行導入においては、費用面での懸念をお持ちの企業・人事ご担当者様も多いかと思います。しかし先述の通り採用代行を導入することで、人事担当者の相対的なコスト削減・効率的な採用活動推進など採用成功以外にも様々な恩恵が期待できます。
思うような採用成果が得られていない・採用活動の推進方法が分からない等のお悩みをお持ちであれば、人事組織における1つの戦略として、採用代行の導入をおすすめします。