狙った人材にピンポイントでアプローチできるスカウト採用は、その効果を実感している企業も多く、新しい採用手法ながらも既に多くの企業が導入しているかと思います。
しかし一方でスカウトメール作成に苦戦されている企業・人事ご担当者様も多いのではないでしょうか。
今回は、効果的なスカウト採用を推進するために、他社と差別化を図れるスカウト文の作成のコツをお伝えします。
- 他社と差別化できるスカウトメールの作成のコツが分からない
- いつも他社のスカウトメールを模倣してばかりいる
- スカウトメールの効果を実感できない
後半には、件名や送信曜日・時間などスカウト送付の際に意識したいポイントについても解説します。
上記のようなお悩みを持つ企業・人事ご担当者様は、ぜひご参考ください。
注)本記事におけるスカウト例文はあくまでイメージ例です。弊社サービスでは、成果を出すためのノウハウを組み込むため、記載の例文とは異なる文面になります。
返信率(応募率)を高めるスカウトメールのコツとは?
スカウトメールを作成する際は、下記2つのポイントを意識することが鉄則です。
- 求職者目線のアプローチをする
- 対象者に訴求意図が伝わるようにする
またスカウト文作成の際は、冒頭・本文・締めに区分して1つひとつコツを抑えながら作成を進めていきましょう。
- 【冒頭】どんな目的で送付したのか明確にする
- 【本文➀】企業・採用予定ポジションの紹介
- 【本文②】スカウト理由の明記
- 【締め】ネクストアクションを提示する
【冒頭】どんな目的で送付したのか明確にする
スカウト文の冒頭にはどんな目的でスカウトを送付したのか、スカウト文全体の要約とスカウト目的を記載するのがコツです。
候補者には多くのスカウトが送られてきます。次々と開封されるスカウトでは、冒頭で候補者に何を伝えたいのかを記載しておかなければ、例え開封されたとしてもスルーされてしまいます。
『どんなポジションのスカウトなのか』『カジュアル面談なのか、面接確約なのか』など、一目みてどんなスカウトなのか、スカウトの全容を冒頭一文に組み込むことがポイントです。
<例>
【本文➀】企業・採用予定ポジションの紹介
企業情報を記載する時のコツは、『簡潔に記載すること』です。
なぜならば、“スカウト効果”が薄れてしまうような、自社の魅力だけを盛り込んだ企業目線のスカウト文では、候補者の応募意欲を減退させてしまうからです。
会社紹介文の記載方法は、箇条書きでもOKです。
自社の自慢話にならないよう、意識しましょう。
またどのポジションでのスカウトなのかも、候補者に分かるように記載します。
入社後のイメージが湧かないスカウトは、返信されずに終わってしまいます。
配属予定部署の人数感・雰囲気・予定ポジションなども記載し、スカウト文を一読することで候補者自身がその企業で働くイメージを持てるような内容に仕上げましょう。
その後のキャリアについても記載するとよりイメージを掴みやすくなるでしょう。
<例>
【本文②】スカウト理由の明記
スカウト理由を明記するコツは、“なぜあなたにスカウトを送付したのか”が伝わる一文に仕上げることです。
スカウト文作成において、一番重要になる項目です。
候補者1人ひとりにカスタマイズしたスカウト理由を明記することで『自分を必要としてくれている』と思わせることができます。
スカウト理由を明記する際は、自社の課題を伝え、候補者には自身のどんな強みや魅力を活かして欲しいのかを訴求しましょう。
候補者のレジュメを読み、自社の課題と相手の強みとの親和性に焦点を当てたスカウトに仕上げることがポイントです。
<例>
【締め】ネクストアクションを提示する
スカウト文の最後には、候補者に対し次に取るべき行動を示します。
例え魅力的なスカウト文であったとしても次に取るべき行動が不明瞭であれば、せっかく開封されたスカウトも返信にまでは及びません。
エントリーボタンを押すべきなのか、希望日程を伝えるべきなのか、次に取ってほしい行動を記載し、候補者のネクストアクションに繋げましょう。
<例>
ご紹介のようにスカウト文を作成する際のコツは、一文をいくつかの章に分けることです。
3〜4つの章に区分することで、ダラダラとした内容の薄いスカウト文から、1章ごとに内容が凝縮したメリハリのあるスカウト文の作成が容易になります。
<スカウトメール例>
スカウト文以外にも注力したいポイント
スカウト文以外にも目を向け、工夫を凝らしてみましょう。
特に意識したいポイントは次の4つです。
- 件名(タイトル)
- 受け取り側のレイアウト
- 送付曜日・時間帯
- 送付対象者の最終ログイン日時
1つひとつのポイントを改善することで、スカウトメールの開封率・返信率の向上が期待できるでしょう。
件名(タイトル)が開封率を左右する
件名の作成においては候補者に合った “自社の強み”アピールを意識しましょう。
具体的には、次の4つの軸の中から送付する候補者に合わせて件名に落とし込んでみてください。
- 企業理念・方針
- 組織カルチャー・風土
- 事業・業務内容
- 働き方・福利厚生
<企業理念・方針例>
▼訴求対象
管理職候補人材
▼件名例
【直接スカウト】◎◎ビジョンを掲げる急成長中のベンチャー企業代表が、今後の更なる組織成長を目指し幹部となりうる人材を探しております。
<組織カルチャー・風土>
▼訴求対象
成長意欲旺盛な若手人材
▼件名例
平均年齢〇歳。フランクで育成意欲旺盛な代表直下で、同じ年齢層の仲間と切磋琢磨し高めあえる環境があります!
<事業・業務内容>
▼訴求対象
スキル・経験を持つキャリア人材
▼件名例
あなたの○○という強みに興味を持ちました。導入企業〇社・設立から増収・増益を続ける事業であなたの○○スキルを求めています!
<働き方・福利厚生>
▼訴求対象
ライフワークバランスを大切にしたい長期就業希望人材
▼件名例
月〇時間以内の残業実現!働き方改革に成功した当社の新しいワークスタイルのもと、あなたらしい働き方を叶えませんか?
当たり障りのない件名や何を訴求したいのか分からない件名では、候補者の興味を刺激できません。
下記のように目を惹くような特徴がなく、特別感や親近感のない抽象的な件名では、スルーされる可能性が高いでしょう。
例)「営業職募集!未経験OK」「“がんばり”“やりがい”を応援!」「非常に風通しの良い企業です」
プレビューで受け取り側のメッセージ表示をチェック
スカウトメールを送る際は、受け取り側の画面表示も意識しましょう。
<スカウト開封前>
受信ボックスに溜まるスカウト文は、スマートフォン画面で15〜20文字程度、パソコン画面でも30〜40文字程度が一般的と言われています。
タイトルだけしか表示されない媒体もあれば、スカウト文の最初の一行・数文字だけが表示される媒体もあります。
スカウトを受け取る候補者側の画面では、スカウト文がどのように表示されているのか、媒体ごとの表示を意識したタイトル・スカウト文の作成を心がけましょう。
<スカウト開封後>
開封後のスカウト文が候補者画面ではどのように表示されているのかも、チェックを忘れてはなりません。
行間が詰まり過ぎていないか・不自然な改行がないか、などにも注目しましょう。
媒体ごとにスマートフォンユーザー、パソコンユーザーの割合が異なります。媒体に問い合わせるとユーザーがどの端末を経由して閲覧しているのか教えてもらえる場合もあります。
利用率の高い端末の表示を意識して、読みやすいスカウト文を作成しましょう。
送付時間・曜日を意識する
送信する時間帯や曜日によって、開封率や返信率が変動するのをご存知でしょうか。
株式会社キャリアデザインセンターが運営する女の転職type-女性採用応援レポートによると、スカウトメール経由の求人閲覧ユーザー数推移は次の結果になったそうです。(計測期間:2019年10~12月)
求人閲覧率が高くなった曜日は火曜日・水曜日・木曜日だそうです。同じく求人閲覧率が高くなった時間帯は、12時〜14時のランチ時もしくは18時〜19時の退社後だったそうです。
参考:株式会社キャリアデザインセンター『女の転職type-女性採用応援レポート』
またエンジニア採用を主とする株式会社LAPRASが自社システムLAPRAS SCOUTを通してエンジニアの候補者に対して送信したスカウト分析結果によると、既読率・返信率共に曜日に関しては月曜日・水曜日・金曜日、時間帯は13時~17時の数値が良いとの結果を公表しています。
参考:株式会社LAPRAS
<スカウト送付時間帯>
両データのサンプルは、業種・職種・性別など属性情報や採用ターゲットの情報が異なります。そのため一概に言い切ることはできませんが、どちらのデータも午後の時間帯のスカウトメール経由の求人閲覧率や返信率が午前中と比較して高い傾向がみられます。
特にお昼の時間帯は業種・職種問わずスカウトメールの閲覧・返信率が高まると推察されます。
そのためスカウトメールを送付する際は、昼前の11時から13時を狙うのが良いでしょう。
<スカウト送付時曜日>
曜日に関しては多少の違いはあるものの、両データともどの曜日も突出して大きな差は見られませんでした。
とは言え、より精度を高め効果的なスカウト配信を狙うのであれば、自社のデータを分析してみると良いでしょう。
自社のデータを分析し、曜日ごとの返信率に大きな差が表れたのであれば、データを参考に返信率の高い曜日にスカウトを送付してみましょう。
候補者の最終ログイン日時をチェック
スカウトメールを送付するターゲットは、その媒体においてアクティブに活動しているユーザーに的を絞りましょう。
転職媒体に登録している候補者全員が、高い転職意向を持つわけではありません。
「情報収集のため」「自分の市場価値を図るため」など、転職意欲の低いユーザーも一定数存在します。
アクティブユーザーを見極めるためには、次の情報に注目してみてください。
- 媒体に登録(アカウント開設)した日
- 登録内容の最終更新日
- 他社エントリーなど最終アクション日
- 直近ログイン日時
これらのデータに注目し、送付ターゲットを絞ることで無駄なスカウト送付を避けることができ、開封率・返信率の向上も期待できるでしょう。
スカウト作業を効率化するコツ
スカウトを送信する際は、先ほどご紹介したコツを参考に効果的なスカウト文を作成すると共に、効率的にスカウトを送付することが大切です。
本項目では、スカウト作業の効率を高めるコツを人事担当者以外の人員・機能に協力を仰ぐ方法とオペレーションを見直す方法の2つに分けてご紹介します。
人事担当者以外の人員・機能に協力を仰ぐ方法
人事担当者以外の人員・機能に協力を仰ぐ方法には、主に次の3つが挙げられます。
- RPAを導入する
- 現場メンバーに配信をサポートしてもらう
- 配信に関する業務全般をアウトソースする
<RPAを導入する>
手間がかかるスカウト配信にはRPAを導入し、自動配信する選択もあります。
レジュメに応じた細かいカスタマイズはできませんが、ターゲットごとにスカウト文を作成することでスカウトの質は多少なりとも担保できるでしょう。
<現場のメンバーにも配信をサポートしてもらう>
現場のメンバーに配信をサポートしてもらう方法もあります。
特に専門性の高い職種の採用においては、人事担当者よりも現場社員のほうがスキルや技術のマッチング度を見極められます。
可能であれば、現場社員にスカウト文の最終チェック・ブラッシュアップをお願いするのも良いでしょう。人事では作成し得ない技術職に刺さる内容に仕上がり、返信率の向上も期待できるかもしれません。
<配信に関する業務全般をアウトソースする>
スカウト代行やフリーランス人材を活用し、配信に関する業務全般をアウトソースする方法もあります。
スカウト文作成から委託できるサービスもあるため、スカウト採用ノウハウに乏しい企業・人事担当者は活用を検討してみると良いでしょう。
オペレーションを見直す方法
スカウト配信業務を外部や内部に依頼できない場合は、オペレーションを見直しましょう。
すぐに取り組めるオペレーションの見直しポイントは次の2つです。
- 採用したい人数(KGI)から逆算し、1日の配信数を決める
- タイマー機能を活用する
<採用したい人数(KGI)から逆算し、1日の配信数を決める>
ただ闇雲にスカウトを大量送付しても、成果に繋がるとは限りません。
より高いパフォーマンスを得るためには、最小限の配信数に抑えつつも目標に掲げる内定承諾者数を達成することです。
スカウトの開封率から応募に至るまでの割合や各採用ステップの通過率などを逆算し、何通のスカウトを送付すれば目標の内定承諾者数を達成できるのか試算してみましょう。
さらに日割り計算し、1日のスカウト配信目標を設定することで、無駄なくスカウト配信できるでしょう。
<タイマー機能を活用する>
スカウト配信において、タイマー機能を活用するのも有効な手段です。
先述の曜日・時間帯における効果・変化を感じる企業であれば、より効果の高い曜日・時間帯にスカウト送付されるよう設定しましょう。
スカウトメールを改善し続けるコツ
スカウト文はある程度定型化することで、カスタマイズする時間を捻出できます。しかしスカウト文は模倣されやすく、長く使用していると効果も薄れてしまいます。
長く一定の効果を保つためには、継続的な改善が必要です。
しかし、なかなかそこまで手が回らないケースが大半かと思います。そのような悩みをお持ちの場合、ツールを用いて改善してみるのも1つの手です。
イチグウ社が提供するスカウト状況を見える化するツール『SCOUTS』では、特に下記のようなお悩みを持つ企業において、高い利用効果を感じられるでしょう。
- どんなスカウトが効果的かわからない
- スカウトのPDCAを回す方法がわからない
- データ分析に取り掛かるまでの工数がかかりすぎている
『SCOUTS』について
『SCOUTS』は、イチグウ社が提供するスカウト状況を“見える化”してくれるスカウト分析ツールです。
SCOUTSを導入することで、次のようなスカウト採用運用の改善が図れます。
- 利用媒体からデータを取得し、加工する時間を0分に短縮できる
- スカウト経由応募率を改善するためのデータ分析が容易になる
- データを用いた戦略的な採用実現する
データ分析の際、媒体ごとに項目の粒度や情報が異なり分析が困難なケースもあるでしょう。
そのような課題に対しもSCOUTSをご利用いただくことで、手作業でデータを掻き集め分析項目を統一することなく、すぐにデータの確認・効果改善作業に取り掛かれるようになります。
▶SCOUTS詳細はこちら
SCOUTS導入企業の声 (株式会社Legal On Technologies様)
SCOUTSを導入することでどのような成果が得られるのか?
導入企業の一例と成果をご紹介します。
<課題>
配信のリソース差配や感覚的な効果検証はできていたが、定量的なデータに基づく効率的・効果的なスカウト運用ができていなかった。
<成果>
データ集計・分析における工数が削減された。
論理・データに基づいたスカウト運用ができるようになり、効果性の高いスカウト配信が実現した。
- どのツールがどういった職種のターゲットに対し効果があったのか可視化できるようになり、ツール間の比較ができるようになった。
- 各スカウトツールのデータを集約できる「SCOUTS」では、それぞれのスカウトツールの特性も可視化できるようになった。
- タイトルベースでもターゲットに響きやすいポイントが顕著にわかるため、都度改善を加えられるようになった。
<利用企業の声>
本事例のように、スカウト採用全てをスカウト代行に依頼せずともツールを導入することで、自社内でスピード感のあるスカウト採用のPDCAを回すことができるようになります。
結果として、効果的なスカウト文の作成・効率的なスカウト採用の推進が叶うでしょう。
▶SCOUTS詳細はこちら
スカウトメール作成のコツ まとめ
スカウト文の作成においては、どんなに魅力的な文章や注目を集めるエンターテインメント性の高い文章を作成できたとしても、期待を満たす結果に繋がらないこともあります。
スカウトメールは何度も改善のPDCAを回しながら、トライ&エラーを繰り返し続けることが重要です。
自社でスカウト採用を運用する場合、「改善が後手にまわる」「改善に時間と手間を割けない」「効果的な改善方法が分からない」といった新しい課題も出てくるかと思います。
そのような時には、イチグウ社が提供しているスカウト代行やデータ分析ツールなどの外部サービスの利用も検討してみてください。
自社だけでは出てこないような新しい提案や改善策が得られ、今までの運用と比較してより効果的な運用方法も見つかるはずです。
スカウト採用の運用法は1つではありません。
自社に合ったスカウト採用支援サービスも上手に利用・活用し、スカウト採用の新しい可能性を広げてみてください。