採用活動における日程調整代行のメリットとは? | 導入手順・導入すべき企業も解説!

採用活動には、採用戦略設定・設計など運用全体のことから、求人票の作成・応募者対応など日々の細々した常務まで多様な業務があります。
その中でも面接の日程調整業務に工数や時間が割かれてしまい、他の業務が進まないという事態に直面している企業・人事ご担当者様も少なくないかと思います。

そのような時には、日程調整代行の利活用がおすすめです。

本記事では、150社以上の採用をみてきた筆者が、日程調整代行を利用するメリットをお伝えすると共に、利用すべき企業や利用手順なども併せてご紹介します。

  • 日程調整に時間が割かれ、他の業務が進まない
  • 日程調整代行を利用することでどのようなメリットが得られるのか知りたい
  • 日程調整だけを切り取って外部に委託したい

上記に該当する、企業・人事ご担当者様はぜひご一読ください。

イチグウRPOは人事担当者のノンコア業務を代行し、人事担当者が『コア業務』へ集中できる環境づくりをサポートする採用代行サービスです。

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日程調整代行を利用するメリット

日程調整代行を利用することで得られる主なメリットは、次の通りです。

  • 質の高い採用活動ができる
  • 辞退率軽減に繋がる
  • 内定率向上に繋がる
  • 必要な時だけリソースを増やせる

日程調整代行の利用メリットは、ただ単に「人事の負担が軽減する」だけではありません。
どのようなメリットが得られるのか、1つずつ解説したいと思います。

質の高い採用活動ができる

日程調整代行を利用することで、質の高い採用活動が実現できることが期待できます。

日程調整に時間が割かれてしまっている場合、採用活動のテコ入れや応募者の応対など、本来注力したいコア業務に時間を割けなくなってしまいます。
日程調整など人事担当者以外でも請け負える業務をアウトソーシングすることで、選考が進んでいる応募者や内定者へのフォローアップ、さらには新しい戦略の導入検討・設計、状況が芳しくない採用手法や工程のテコ入れを行う時間を確保できるようになるでしょう。

その結果、採用活動の質が高まり、従来以上の成果を見込むことができるようになります。

辞退率軽減に繋がる

実は適切かつ丁寧な日程調整は、辞退率軽減に繋がることをご存知でしょうか。

ディップ株式会社が行ったアンケート調査では、「面接設定の連絡が来なかった」「電話に出ることができなかった」等、初回の対応方法が起因となり、面接を辞退してしまう求職者が多いことが分かりました。

引用:ディップ株式会社

日程調整は、日常的に行われる業務であるが故につい応募者への対応が遅れてしまったり、ぞんざいな返答になってしまうこともあるかもしれません。
日程調整は、応募者との数少ない接点の1つです。当然応募者にとって、企業のやり取り1つひとつが企業印象にも繋がります。

日程調整代行を導入することで、魅力的な企業だと印象付ける応対や早急なレスポンス、適切なタイミングでのリマインドなど、各工程における業務を的確に遂行してくれます。
結果として他社よりも早く日程調整できたり、応募者と良好な関係を築くことができ、選考辞退の防止にも寄与することでしょう。

内定率向上に繋がる

先述の選考辞退だけではなく、適切な日程調整は最終的に内定率向上にも繋がります。
マイナビ転職情報事業本部『採用辞退に関する実態調査』内の「入社決定企業の決め手」を問う設問において、「入社日決定や面接日設定の対応、連絡方法、タイミング」がランクインしています。


引用:マイナビ転職情報事業本部『採用辞退に関する実態調査』

当然のことながら仕事内容や働く社員の印象は、多くの応募者にとって内定の要因になり得る重要な項目です。しかし、本調査では、「接日設定の対応・連絡方法・タイミング」も少なからず内定を決める要因になっている様子が伺えます。

応募者にとって内定を決める決定的要因になり得ることはないかもしれませんが、内定を決める一要因になっていることから、日程調整代行を利用し応募者との調整をスムーズに行うことで、内定承諾を高められると言えるでしょう。

必要な時だけリソースを増やせる

日程調整代行の利点は、必要な時だけリソースを増やせる点です。

新卒採用の面接が続く1月〜3月や中途採用が発生した時期だけなど、必要な時期に限定して日程調整のサポートを受けられます。そのため自社で人員を増やすよりも無駄のないコスト運用が叶うでしょう。

日程調整代行に依頼できる業務

日程調整代行に依頼できる業務は次の通りです。

  • 日程調整メールテンプレート作成
  • リマインドメールテンプレート作成
  • 応募者への日程提案
  • 会場手配
  • 面接官手配
  • 日程調整進捗報告
  • 返信が来ない応募者へのリマインドメールの実施
  • 電話応対用トークスクリプトの作成
  • 電話での日程調整 など

上記は日程調整代行に限定した業務を紹介していますが、採用代行(採用アウトソーシング)を請け負う企業では、日程調整以外にも様々な業務を代行するサービスが提供されています。必要に応じて他の業務の代行も検討してみましょう。

日程調整代行を利用すべき企業

日程調整代行の魅力や利用メリットは理解できたけれど、自社でも導入すべきなのか悩む企業・人事ご担当者様も少なくないでしょう。

筆者の経験から次に該当する企業は、ぜひ日程調整代行の導入を検討してみてください。

  • 応募から1日以内に日程調整案内ができていない企業
  • コア業務に注力していきたい企業
  • 外部のノウハウを得たい企業

応募から1日以内に日程調整案内ができていない企業

応募から1日以内に日程調整案内ができていない企業は、日程調整代行の導入を最優先で検討すべきと言っても過言ではありません。

ディップ株式会社が行ったアンケート調査によると、「応募後、採用担当者から面接の日程についてどのくらいの時間以内に連絡してほしいですか?」という問いに対し、応募者の約6割が1日以内の返信を希望しているという結果になりました。

さらに全体の2割もの応募者が2時間以内の返信を希望していました。

引用:ディップ株式会社

上記データより、応募者はよりスピード感のある対応を求めている実態が伺えます。
本調査からもエントリーや応募から、最低でも1日以内に応募者に対し日程調整のアクションができていない企業は、状況改善のため、日程調整代行の導入をおすすめします。

コア業務に注力していきたい企業

現時点においてスムーズに日程調整業務を進められている企業でも、日程調整に時間が割かれコア業務に注力できていない企業は、ぜひ日程調整代行の利用を検討しましょう。

一時的にでも日程調整代行を導入し、採用成功のボトルネックになっている工程や施策の改善に取り組むだけでぐっと採用成功に近づけるはずです。

外部のノウハウを得たい企業

日程調整代行の利用は外部のノウハウを得たい時にも有効です。人事業務は、人事担当者が積極的に外部との情報交換や最新情報のキャッチアップに努めない限り、閉鎖的で変化の少ない作業的業務になりがちです。

採用活動において、戦略的な施策の立案や有効性の高い業務の遂行は不可欠です。日程調整代行という外部リソースを導入することで、自社では思いつかなかった方法や施策などを学ぶことが出来るでしょう。

日程調整代行の導入ステップ

続いて、日程調整代行の導入ステップを紹介します。

  1. 依頼の内容・範囲を決める
  2. ニーズにマッチした代行業者を選定し、支援実績を確認する
  3. 自社のルール・工程との相性を確認する
  4. 進捗や情報共有方法を確認する
  5. 見積内容の確認する

➀依頼の内容・範囲を決める

日程調整代行を依頼するにあたって、まずは依頼の内容・範囲を決めましょう。
一口に日程調整と言っても下記の通り、様々な工程があります。

  • 日程調整メールテンプレート作成
  • リマインドメールテンプレート作成
  • 応募者への日程提案
  • 会場手配
  • 面接官手配
  • 日程調整進捗報告
  • 返信が来ない応募者へのリマインドメールの実施
  • 電話応対用トークスクリプトの作成
  • 電話での日程調整

自社にとってどの工程が煩雑に感じられているのか、現状と予算を鑑みて何を依頼すべきか慎重に精査しましょう。

➁ニーズにマッチした代行業者を選定し、支援実績を確認する

続けて前工程で決定した依頼内容や範囲に対応してくれる代行業者を選定します。その際にぜひ注目いただきたい点は、支援実績です。

予算や対応範囲も大切ですが、同業界や中途採用など自社の採用ニーズにマッチした支援実績を持っている代行業者はノウハウを得ている可能性が高く、期待する運用を実現してくれるでしょう。

➂自社のルール・工程との相性を確認する

採用業務は企業ごとに独自のルール・工程があります。独自ルールや工程に対し柔軟に合わせてもらえるのか確認しましょう。
特に日程調整の場合、ターゲットの質に応じて面接官を変えたり、シーズンによって会場が変わるケースもあるでしょう。
さらには、募集職種に応じて集団面接・個別面接など面接方法を切り替えることもあるかと思います。

日程調整代行を導入することで余分な工数が発生してしまっては本末転倒です。
“日程調整”という大きな括りではなく、細部の工程への対応が自社と足並みを揃えることができるのか事前に確認しておくと、依頼開始後の認識ズレやトラブル発生を未然に防ぐことができるでしょう。

➃進捗や情報共有方法を確認する

これまで筆者が採用してきた中で、日程調整代行を依頼した後、代行業者に任せっぱなしになる企業は少なくありません。

どれくらいの応募から日程調整に繋げることができているのか、1人の応募者に対して何回のリマインドや電話が行われているのかなど、どのような進捗を受け取れるのか、どれくらいの頻度で報告が行われるのかしっかり確認しておきましょう。

日程調整に限らずアウトソーシングを導入する場合、依頼した業務がブラックボックス化しがちです。適切な費用対効果が得られているのか、また日程調整代行を導入することで自社にどれだけの恩恵がもたらされているのかを図るためにも、進捗共有の方法・頻度は事前にしっかりすり合わせておきましょう。

➄見積内容の確認する

日程調整代行にかかる費用や対応範囲は、代行業者ごとに全く異なります。日程調整にまつわる工程が1つのパックになっているケースもあれば、応募者1人ひとりへの応対ごと、もしくは1工程ごとに課金が発生するケースもあります。

これまでにも紹介した通り、一口に日程調整といっても多くの工程が発生します。依頼前に見積もり内容をしっかり確認し、納得できる費用で依頼できるのか確認しておきましょう。

日程調整代行の種類

日程調整代行には、次の通りいくつか種類があります。

  • ツールの導入
  • アウトソーシング
  • 外注

それぞれの違いやメリット・デメリットを理解し、自社に最適な方法を検討しましょう。

ツールの導入

日程調整代行の選択肢の1つとしてツールの導入が挙げられます。
人力で対応するほどでもない調整や、少しでもコストを抑えつつ今の業務工数を削減したい場合に有効でしょう。

なお法人向け日程調整ツールには次のような種類があります。

  • TimeRex
  • eeasy
  • アイテマス
  • Schecon
  • 日程調整さくらさん
  • aipo
  • Spir
  • 調整アポ
  • biskett
  • waaq Link

Googleカレンダー連携、当日までのフォローアップ、1対1から大人数の日程調整までツールによって機能やサポートが異なるため、用途にマッチするツールを検討してみましょう。

アウトソーシング

アウトソーシングは、人事担当者が採用活動におけるコア業務に注力したい場合に利用をおすすめします。ノンコア業務を日程調整代行に委託することで、採用活動全体の効率化やテコ入れなどにリソースを割くことができるでしょう。

また一口にアウトソーシングと言ってもその種類は様々です。経済産業省「アウトソーシング協議会資料」によると、大きく次の4つに区分できるそうです。

  1. 外部人員による補助業務
  2. 日程調整業務の運営のみを受託する代行業務
  3. 日程調整業務の企画・設計を受託するコンサルティング業務
  4. 日程調整業務の企画・設計から運営までを受託する業務

1から4へと受託形態が変化するほどに、採用活動の軸に触れることになり、コストも膨らみます。

日程調整業務の中でも応募者対応や会場手配だけに限定しアウトソーシングを利用する場合は、「外部人員による補助業務」を依頼するケースに該当します。
また日程調整方法や人員配置など、日程調整業務における全般について1から企画・設計を見直し、業務の効率化や質の向上を目指したい場合は、「日程調整業務の企画・設計から運営までを受託する業務を依頼する必要があるでしょう。

外注

外注は、自社の業務を外部人材や企業に委託することを言います。
アウトソーシングと混同し勝ちですが、外注はコストカットを重視する際に利用します。自社で日程調整業務を行うことに割の合わなさを感じている場合、日程調整業務を外注することで無駄なコストを抑えることができます。
例えば正社員の人事担当者が日程調整業務を担っている場合や、マルチに人事業務を請け負えるアルバイト・パートが外部でも対応できる日程調整業務を担っている場合に有効です。

なお外注は、大きく「業務委託」と「業務請負」の2つの形態に分けられます。

<業務委託>

業務委託をさらに細分化すると「請負契約」と「委任・準委任契約」の2つに分けられます。
請負契約は、契約者が成果物を納めた時点で報酬を支払うのに対し、委任・準委任契約は、契約で決められた業務を行うことで報酬を支払います。
日程調整業務の場合は、後者に該当するケースが多いでしょう。

<業務請負>

業務請負とは、仕事の完了・完成を目的に置きつつも成果物を完成させるための方法や過程などについても契約者に一任する契約を指します。
業務委託と似ていますが、委任・準委任契約は業務の過程についても指示しなければなりません。一方の業務請負は契約者に対し、業務の過程も一任できます。

日程調整がルール化できているのであれば業務委託契約を結べる人材を探しましょう。
一方でルールも一任できるような知見・スキルを持ち合わせている人材と契約を交わす場合や、ルールそのものがなく契約者と一緒に日程調整業務を型化していきたい場合は、業務請負として依頼すると良いでしょう。

メリットデメリット
ツールの導入・導入が簡単
・多様なツールから選択できる
・低コスト
・全てをツールに一任できるわけではない
アウトソーシング・コンサルティングしてもらえる
・日程調整業務全体を一任できる
・ノウハウを得られる
・コストがかかる
外注・ツールより柔軟性が高くアウトソーシングより低コスト
・任せたい業務を切り取って依頼できる
・外注できる人材を探す必要がある

採用業務における日程調整代行 まとめ

採用業務における日程調整は、応募者との数少ない大切な接点です。日程調整の質やスピードを高めるだけで辞退を事前に防止できたり、内定承諾が高まることも期待できます。
そのため本記事で紹介したように、もし日々の忙しさに追われ適切な日程調整ができていないのであれば、ぜひ日程調整代行の利用を検討してみましょう。

また自社の採用力強化に向けて日程調整代行を利用するのも戦略の1つです。外部のリソースを活用することで、より採用を強化できる施策やボトルネックになっていた方法・工程のブラッシュアップ・改善に取り組めるでしょう。

日程調整代行のように社内業務をアウトソーシングすることに対し、費用面が気になる企業・人事ご担当者様も少なくないかもしれません。しかし最終的に自社の技術力やリソースだけでは成し得なかった成果が得られる可能性も大いに見込めます。

ぜひ日程調整の重要性を改めて認識した上で自社の日程調整における課題を見直し、日程調整代行を導入するなどして、改善を図ってみてください。