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人事・採用ニュース週まとめ(10/26〜10/30)|9月の求人倍率1.19倍、カスハラ対策「未着手」約3割
先週(10月26日〜30日)は、9月の有効求人倍率と完全失業率が発表され、求職者が減って人手の確保がさらに難しくなっている様子が数字に表れました。10月1日から事業主の義務となったカスタマーハラスメント(カスハラ)対策については、企業の取り組み状況を調べた調査が出ています。新卒採用の調査などもあわせ、採用・労務に関わる4つの話題をまとめます。
1. 9月の有効求人倍率は1.19倍、求職者は1.4%減
厚生労働省は10月30日、一般職業紹介状況の2026年9月分を公表しました。有効求人倍率(季節調整値)は1.19倍で、前月を0.01ポイント上回りました。新規求人倍率は2.19倍(0.13ポイント上昇)、正社員の有効求人倍率は1.01倍(0.01ポイント上昇)です。
- 求人と求職者:有効求人は前月と同じ水準(0.0%増)だった一方、有効求職者は1.4%減りました。
- 産業別の新規求人(前年同月比):全体では0.4%減。製造業(8.2%増)、情報通信業(5.9%増)などで増え、生活関連サービス業・娯楽業(6.7%減)、卸売業・小売業(6.3%減)、宿泊業・飲食サービス業(6.3%減)などで減りました。
- 都道府県別:就業地別の有効求人倍率は、福井県と山梨県の1.74倍が最も高く、大阪府の0.96倍が最も低くなりました。
(厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)について」)
同じ日に総務省統計局が公表した労働力調査(2026年9月分)では、完全失業率(季節調整値)は2.4%で、前月から0.1ポイント下がりました。就業者数は6,896万人で、前年同月より33万人増えました(総務省統計局「労働力調査(基本集計)2026年(令和8年)9月分」)。
求人が横ばいのまま求職者が減り、倍率が上がった形です。仕事を探している人が少ない分、すでに働いている人に転職先として選んでもらう工夫が要ります。イチグウとしては、求人票に「入社後の1日の流れ」や「最初の1か月で覚えること」を具体的に書き、今の職場と比べて判断してもらいやすくすることをおすすめします。
2. カスハラ被害は15.3%、対策に「取り組んでいない」企業も約3割
帝国データバンクは10月26日、「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査(2026年9月)」の結果を公表しました(調査期間9月14日〜30日、有効回答1万235社)。直近1年以内にカスハラや不当な要求を受けたことが「ある」企業は15.3%で、大企業は23.9%、中小企業は13.8%でした。業界別では小売が31.1%で最も高くなっています。
対策に何らかの「取り組みあり」とした企業は68.9%(大企業82.6%、中小企業66.5%)で、「特に取り組んでいない」企業は29.7%でした。取り組みの内容は「従業員への企業方針・対応ルールの周知」が37.8%で最も多く、「カスハラを容認しない企業方針の策定」28.6%、「相談・通報窓口の設置」27.2%が続きます。相談窓口の設置は、大企業の51.7%に対して中小企業は23.0%にとどまりました(帝国データバンク「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査(2026年9月)」)。
改正労働施策総合推進法により、10月1日からカスハラ対策はすべての事業主の義務になっています。厚生労働省は、事業主の方針の明確化と周知、相談体制の整備、事後の迅速で適切な対応などを、講ずべき措置として示しています(厚生労働省「従業員を守るために ― カスタマーハラスメント対策の新ルール」)。
カスハラへの備えは採用にも関わります。接客や電話応対のある仕事では、理不尽なお客様への対応が応募をためらう理由になりがちです。まだの会社は、方針を文書にし、相談先を決めて従業員に伝えるところから始めましょう。求人票や面接で「困ったときは一人で対応させない」と伝えられれば、応募者の安心材料になります。
3. 新卒採用、選考を終えた企業は42.5%で5年連続の半数割れ
キャリタスは10月26日、新卒採用に関する企業調査(2026年10月調査)の結果を公表しました(調査期間9月29日〜10月8日、回答1,116社)。2027年3月卒業予定者の採用で、選考を「終了した」企業は42.5%で、5年連続で半数を下回りました。内定者の充足率の平均は66.1%で、前年同期の調査より少し上がっています。ここまでの採用活動を「厳しい」と答えた企業は73.1%で、前年より5.9ポイント減りました。
また、就職活動中の学生へのセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)を防ぐ取り組みとして「私的な連絡先の交換を禁じる」「夜間の面会禁止」などが多く挙げられました。2028年3月卒業予定者については、年内に面接を始める企業が半数強で、内定出しを始める時期のピークは12月に集中する見込みです(キャリタス「2027年卒採用 内定動向調査/2028年卒採用計画」)。
求職者へのセクハラを防ぐ措置も、カスハラと同じく10月1日から事業主の義務になりました(厚生労働省「従業員を守るために ― カスタマーハラスメント対策の新ルール」)。新卒採用に限らず、中途採用の面接でも同じ注意が必要です。面接官を務める社員には、応募者と個人の連絡先を交換しない、面接は業務時間内に会社の場所かオンラインで行う、といったルールを事前に伝えておくと安心です。
4. 職業紹介・派遣事業の許可を取り消し、理由は不法就労助長での罰金刑
厚生労働省は10月28日、三重県四日市市の事業者について、労働者派遣事業と有料職業紹介事業の許可を取り消したと発表しました。この事業者は出入国管理及び難民認定法の不法就労助長の罪で罰金刑が確定しており、許可の欠格事由に当たると判断されました(厚生労働省「労働者派遣事業及び有料の職業紹介事業の許可を取り消しました」)。
派遣会社や紹介会社と新しく取引を始めるときは、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で、相手が許可を受けた事業者かどうかや、許可番号を確かめられます。外国人を受け入れる場合は、紹介元にかかわらず、自社でも在留カードで働くことができる在留資格かどうかを確認しておくことが大切です。
まとめ
先週は、求職者が減って求人倍率が上がったことを示す統計と、10月1日に義務となったハラスメント対策についての調査が出ました。人が採りにくい時期ほど、「安心して働ける会社か」が応募の分かれ目になります。ハラスメントへの備えを整えて求人票や面接で伝えることは、法律への対応であり、採用の工夫にもなります。
参考資料
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)について」(2026年10月30日)
- 総務省統計局「労働力調査(基本集計)2026年(令和8年)9月分」(2026年10月30日)
- 帝国データバンク「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査(2026年9月)」(2026年10月26日)
- 厚生労働省「従業員を守るために ― カスタマーハラスメント対策の新ルール」(2026年8月20日)
- キャリタス「2027年卒採用 内定動向調査/2028年卒採用計画(2026年10月調査)」(2026年10月26日)
- 厚生労働省「労働者派遣事業及び有料の職業紹介事業の許可を取り消しました」(2026年10月28日)