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人事・採用ニュース週まとめ(10/19〜10/23)|中小企業の8割超が中途採用メイン、パート時給4.7%増
先週(10月19日〜23日)は、帝国データバンクが企業の採用形態と求める人材像についての調査を公表し、中小企業では中途採用が採用の中心になっている実態が数字で示されました。厚生労働省からは、8月の賃金の確定値や、職場の健康づくりの指針の改正が発表されています。中小企業の採用・労務に関わる4つの話題をまとめます。
1. 中小企業の86.4%が「中途採用がメイン」、求める人材像のトップは「コミュニケーション能力」
帝国データバンクは10月22日、「企業の採用形態と求める人材像アンケート」の結果を公表しました(調査期間10月9日〜14日、有効回答1,333社)。主な採用形態を尋ねた質問では、「中途採用がメイン」が81.1%、「新卒採用がメイン」が18.9%でした。
- 規模別:大企業は「新卒採用がメイン」が55.2%と半数を超えた一方、中小企業は「中途採用がメイン」が86.4%、小規模企業では94.4%でした。
- 求める人材像(3つまで回答):「コミュニケーション能力が高い」が30.6%で最も多く、「真面目、または誠実な人柄である」29.2%、「意欲的である」28.4%が続きました。「専門的なスキルを持っている」や「AIやデジタル技術を活用できる」は下位にとどまっています。
- 採用形態別の違い:新卒採用がメインの企業では「素直である」(31.8%)、中途採用がメインの企業では「責任感がある」(28.4%)や「行動力がある」(20.2%)を挙げる割合が、もう一方の企業より大きくなりました。
同社は、2022年9月の同様の調査でも「コミュニケーション能力が高い」がトップだったとし、AIが広がっても企業が求める人材像は大きく変わっていないとみています(帝国データバンク「企業の採用形態と求める人材像アンケート」)。
中小企業の採用の主戦場は中途採用で、しかもスキルより人柄や姿勢を重視している、という結果です。イチグウとしては、この「人柄重視」を求人票と面接の両方に反映させることをおすすめします。求人票では「経験より、報告・連絡をこまめにできる方を歓迎します」のように、求める姿勢を具体的な行動で書くと、応募者が自分に合うかを判断しやすくなります。面接でも「前の職場で困ったとき、誰にどう相談したか」のように、過去の行動を聞く質問を用意しておくと、コミュニケーションや責任感を見極めやすくなります。
2. 8月の賃金は3.9%増、パートの時給は1,478円で4.7%増
厚生労働省は10月23日、毎月勤労統計調査の2026年8月分の確報を公表しました(事業所規模5人以上)。
- 現金給与総額:1人平均311,563円で、前年同月比3.9%増(速報の3.8%増から上方修正)
- パートタイム労働者の時間当たり給与:1,478円で、前年同月比4.7%増
- 実質賃金:物価の上昇分を差し引いた実質賃金(持家の帰属家賃を除く総合の消費者物価指数で計算)は1.6%増
(厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年8月分結果確報」)
パートの時給の伸びは、一般労働者の所定内給与の伸び(4.0%増)を上回っています。10月からは各地で最低賃金の改定が順次発効しており(厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」)、パート・アルバイトの時給相場は今後さらに上がると考えられます。パートを募集している会社は、求人票の時給が地域の相場や改定後の最低賃金と比べて見劣りしていないか、改めて確認しておくと安心です。
3. 職場の健康づくりの指針を改正、がん検診などの受診をすすめる取り組みを明記
厚生労働省は10月19日、「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」の改正を公示し、同日から適用しました(厚生労働省「『事業場における労働者の健康保持増進のための指針』について(公示)」)。この指針は、会社が従業員の健康づくりに取り組むときの進め方を示したものです。
今回の改正では、生活習慣の改善などで病気を防ぐ取り組み(一次予防)に加えて、検診で病気を早く見つけて治療につなげる取り組み(二次予防)が、健康づくりの取り組みとして位置づけられました。対象には、がん、女性特有の健康課題(月経困難症、更年期障害など)、歯科疾患、骨粗しょう症、眼科疾患が挙げられています。具体的な方法の例として、社内での受診の呼びかけ、検診を受けるための休暇の付与、受診費用の助成、治療と仕事の両立支援の周知などが示されています。指針は、すべてを実施できない場合は可能なものから取り組むとしています。
健康診断の案内に、自治体のがん検診の情報を添える、検診の日は休みを取りやすくする、といった取り組みであれば、小さな会社でも始めやすいはずです。こうした取り組みは、求人票の「福利厚生」の欄にも書けます。長く安心して働ける職場かどうかを見ている求職者にとって、判断材料の一つになります。
4. 「中高年の活躍支援」特設サイトがリニューアル
厚生労働省は10月19日、「中高年の活躍支援」特設サイトのリニューアルを発表しました(厚生労働省「『中高年の活躍支援』特設サイトをリニューアルしました」)。ハローワークや地域若者サポートステーション(サポステ)などの支援機関の利用の流れを紹介する動画と、支援担当者へのインタビュー記事が新たに加わっています。サイトでは、仕事や家計、家族の介護などの悩みに応じた支援施策や相談窓口も紹介しています。
サイトの対象は求職者ですが、中高年の採用を考えている会社にとっても、求職者がどのような支援を受けて仕事を探しているかを知る手がかりになります。ハローワークに求人を出している会社は、こうした支援機関を経由した応募も想定して、未経験の方への教え方や勤務時間の相談のしやすさを求人票に書いておくとよいでしょう。
まとめ
先週は、中小企業の採用が中途採用中心で、スキルより人柄や姿勢が重視されていることを示す調査と、パートの時給が4%台の高い伸びを示した統計が出ました。求める人物像を具体的な言葉で伝えることと、時給を相場に合わせておくことは、どちらも求人票の見直しで対応できます。今週は10月26日(月)に労働政策審議会の雇用環境・均等分科会が開かれ、仕事と育児の両立支援が議題になる予定です(厚生労働省「第93回労働政策審議会雇用環境・均等分科会を開催します」)。